発声と反回神経
声のトラブルも重要だ。声がうまく出なくて仕事に支障をきたす職業は多い。
歌手、俳優、学校の先生、インストラクター・・・発声の必要度が高い職業は数えきれない。
今回は「発声のトラブルを遠隔で」という依頼であった。
ご依頼の方の以前のお仕事は「添乗員」とのこと。添乗員について私なりに知っていること書き出すと・・・時間と行程などを頭に入れながら、ガイド、歌などを同時進行する。旅のガイドは場合によっては何分も話し続けることもあるだろうし、時には大声で先導することもあるかもしれない。一見当たり前でそれがその仕事!と言えばそれまでなのだが、お客さまとのストレスもあるだろう。また、時間通りにいかないトラブルを想定しなければならないことは日常茶飯事なのかもしれない。
さて、
発声のメカニズムとしては反回神経が担っている。
その神経は、首、頸椎に沿っている部分もあるので、腰椎、骨盤とのバランスから治していく必要がある。
なぜなら人体の脊椎には、必要がありS字のカーブになっており、腰と首がそれぞれに呼応した背骨に影響が出るようになっているからだ。
腰椎、骨盤を整えていき、首や頸椎が良い状態になれば、反回神経にも影響し、発声のトラブルから解放されるだろう。
骨折・捻挫後から完治までの施術の大事さ!!
小さいお子様や小学生を持つ親御さんによく聞いていただきたいことがある。
ケガで整形外科・接骨院に通院していて「治った」というのは、骨折や捻挫の炎症が治まり、松葉杖やギブス、テーピングの必要がなくなり痛みもなくなった段階だと思う。
当院ではその時点は、実は「急性期の方向付けが終わっただけ」というのがほとんどである。正確に評価すると「急性期は脱し、痛み・違和感がなくなり、日常の負荷、走る程度は可能になった」である。
実は「ここから本番に入るよ!」という大事な時期なの。小さい頃のこのケガは、親御さんにしてみればまだ体重は増えていないから、さほど負荷はないだろうと思っているだろう。
だが、年齢と負荷で見た時には、日常生活を送るだけなのか、スポーツをしているかによってどこまで施術が必要なのか判断する。スポーツは種目・競技・ポジションなどにより負荷が異なるので、それぞれに適切な負荷テストをおこなう。患部は全身とバランスが取れているか?当院ではそこまでしっかりと診ている。
初診でこちらにいらした方には、最初に身体のどこがどのくらいおかしいのかを診るために脚長差を用いて全身を診る。ケガの後の方は、患部と反対側の骨盤でバランスをとっているか、ぐちゃぐちゃになった状態が多い。長さにして3cmから8cmくらいの脚長差になる方が多い。これを放置すると今度は違う箇所にも痛みが出る可能性もある。このくらいのずれは股関節まで影響してしまう。
当院では初診の時に過去のケガの有無を必ず診る。ケガの箇所が今痛いか?を知りたいわけではない。以前ケガをしたことがあれば、靭帯はそのまま残っている(伸びたり関節がもとに戻らずに放置してある)ことがほとんどだ。
多くの日本の医療機関(整形外科、接骨院)では靭帯に適切な負荷テストをしていていない場合が多い。レントゲン・MRIに頼りすぎているためだ。例えば「小さい頃に足首を捻挫して痛みは引いたからそのままでした」という話がほとんどではないだろうか。当院の初診時に一番多いことである。
そのままにすることで次に起こることが骨盤がずれることだ。
骨盤がずれることは早ければ小学生でも起こる現象である。
昔にした捻挫は数年経っていても当院では改善することが多い。スポーツをするにせよ、部活で運動部に入り打ち込むにせよ、プロ選手を目指すにしても身体の「基礎を整える」ことは大事になるだろう。
ちなみに以前在籍した漢方クリニックに整形外科医が二名在籍、柔道整復師も三名いたことから、彼らが
どのような処置をするかは理解している。その経験があるからこそ、さらにその先に必要なこと、気をつけなければならないことを把握し、施術に活かしている。
「後遺症」が長びく理由
いろいろな疾患があり、いろいろな治癒過程がある。その中で「後遺症」がなぜそんなにも長くなるのか?
健康・元気な方にとっては、べつに知りたいとは思わないかもしれない。「最後はコロッと逝きたいね」という人の話はよく聞く。だがそれは元気に天寿を全うできた方の場合である。
私の場合、脳出血後遺症はかれこれもう5年以上経過している。現在の状況としては、おかげさまでかつての会話不能は脱している。ただ、完治はまだ先の話。
病と処置までは短く(入院など)、後遺症になると倍以上の時間・年数と労力、費用がかかる。治れば良いが場合によっては一生ともに・・・の方もいる。また、後遺症の施術ができる先生ほど腕が良いと言えるだろう。患者さんにとっても術者にとっても「かなりのハイレベル」までしっかり診れないと、また繰り返すことになる。
後遺症の場合は費用面でも、大病であるほど大変。健康であれば出費する必要のないことなので、いかに普段の健康管理、免疫力が大事なのかがわかる。そして私は患者でもあり、患者さんと目線を同じになったので痛いほどつらさがわかる。
タイトルにある後遺症は、どんなご病気でどんな症状であるか?どこが何によって長くなっているかにもよるが、
一つは「費用」の問題。保険の効かない自費治療は回数的にかさむ。
もう一つは後遺症を正確に診られる術者が少ないこと。
特に「脳神経細胞の損傷」の施術と回復には類まれな技術と能力が必要とされる。私の場合は逆からみれば人生でその回復体験を知るための疾患だったのかもしれない。そしてその脳内出血にはただただ「感謝」でしかない!
現在、術者としての能力開発に私は取り組んでいる。多くの方が病からの回復をされますように。
不調と自覚していない身体のサイン!
問診票に書く必要がないという判断であったり、ご本人には「よくあること」でも、
実は施術が必要なことは多い。むしろ、そちらの方が重要で緊急性がある、ということもあるのだ。
1例として、ご来院の際に「調子はとても良い、特に不調はないです」とおっしゃっていたものの
術者の私が触れる限り腹大動脈の拍動が強かった。
大腸の施術をして、内臓の「自動力」を整える最中にその拍動の強さがかなり強いことに気づいた。
脈拍の強さ、テンポ、脳脊髄液のリズムなどを感じたが、
「ん?」おかしい・・・脈拍を数えながら腸の動きをつけたが、明らかな「不整脈」だった。
不整脈はいろんな原因が考えられるが、この患者さんには「遠隔の施術が相応しい」との判断で、その場にいながら小腸に遠隔施術をした。施術の後は拍動は落ち着いた。
「大したことないと思っていて、でも頻繁にあるんです」とおっしゃっていた。施術の必要性を感じていなかったようで、長らく通われているが、このときに初めて気づいた。気づいて良かったと思う。長期的にこの状態が続くと命に係わる状態になる危険性をはらんでいる。
2例目患者さんは、ご本人が一番気になる主訴があり、その他に自律神経の過緊張も持ち合わせていた。主訴の症状は落ち着いてきているのだが、施術後に立ちくらみがあり、話を伺ってみると立ちくらみは頻回にあるとのこと。
ただ、ご本人は「そんなもの」と感じていたようで、今まで話題に出たことは無かった。
両方とも「身体に問題あり」で、両方とも改善する可能性がある。
程度はあるにせよ、今までは「よくあることと自覚していた」かもしれないが、正常範囲にバランスする必要はあるだろう。
ご本人が自覚して伝えてくださるのがベストなのだが、難しい場合には、こちらの観察力が必要になるだろう。
当たり前と思わず、当院で施術は無理だろうと判断なさらず、どのようなことでもお気軽にご相談いただけたらと思う。信頼関係を築いていきたい。
講演の視聴ができました!!
嬉しい報告があります。
脳出血後遺症の影響で、私は「みる・聞く・話す・理解する・注意する」が出来なくなっていた。
手足の問題は全くないわけではないが、言わなければ「え?そうだったんですか?」と気づかれないことからほぼないに等しい。
2016年の脳出血後、会場での講演の視聴が初めてできたのが、つい先日の出来事。
そして、その〆の質疑応答があり、私は「質問ある方は?」との投げかけに「はい!!」と手を挙げ、話すことができたのだ。自分自身の身体の評価では、回復度合いは98%と出るが、
脳の占める範囲はとても広いため、第三者の評価はもっと低いであろうと予測している。
そう考えると、脳の大事さを身に染みて感じる今日この頃ではあるが、毎日今日はこれが出来るようになった、これはまだかな?と指折り数えている。「こんな日々がくるのか( ^ω^)・・・」と心に浮かぶのだが、実はあまり周囲には言わずに抑えていることもある。
世界を見れば私より大変な方もたくさんいる。日本でも先日また地震があった。浮かれないように気を引き締めて新年度に向けて計画を立てよう!実はワクワクしているのだ。